Infrastructure(インフラストラクチャー)は、一般的に「インフラ」と略されている言葉です。「下支えするもの」という意味で、生活の基盤となるインフラと、企業を支える「社会インフラ」に分けられます。今回のテーマは、社会インフラに分類される「ITインフラ」についてです。基礎知識や、構築方法などについて解説します。

インフラとITインフラについて

2つのインフラには、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

インフラとは何か

前述した通り「インフラストラクチャー」の略で、日々の生活に欠かすことができない「基盤」となっている物の総称です。

例を挙げると、水道や電気、電車やバスなどの公共交通機関、病院などの設備や施設が該当します。

インフラと言えば、上記のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

ITインフラとは何か

ITインフラは、IT関連で基盤となる物のことを意味しています。

例えばパソコンやルーター、サーバー、OSなども含まれ、機器から設備まで様々です。

社内にネットワーク機器などを設置して使用する「オンプレミス」が従来の方法でしたが、最近では従量課金にして、使いたい分だけ使うという方法を導入する企業が増えています。

代表的なハードウェア

ハードウェアで代表的なものを、以下に紹介します。

パソコン

多くの方にとって、馴染みのあるハードウェアです。

パーソナルコンピュータの略で、個人で使うことを想定して作られました。文章作成や表計算などのアプリケーションをインストールして、多くの作業を実行します。

デスクトップ、ノートなどのタイプがあり、人とITインフラを繋ぐために欠かせない、重要なツールとなっています。

サーバー

コンピューターからの指示や要求を受け、情報処理などを行うコンピューターやソフトウェアのことです。

サーバーの種類はWebサーバー、メールサーバーなどがあり、それぞれ性能や機能が異なります。

ストレージ

大容量のデータを保存するための装置のことで、補助記憶装置とも呼ばれます。

サーバーよりもデータの格納に優れているということもあり、多くのデータを保存することが可能です。

データの読み込みや書き込みの、高速処理も行えます。

物理的なストレージだけでなく、インターネット上スペースを利用する「オンラインストレージ」というサービスも展開されています。

テープ

磁気テープを記録媒体とした、着脱可能な機器です。

データをバックアップする場面において非常に便利で、サーバーやストレージに入りきらなくなったデータを一時的に保存するのに役立ちます。

ネットワーク

パソコン、サーバー、ストレージといった複数のコンピューターをそれぞれ接続している状態、またはそういった通信技術のことです。

ネットワークをつなぐ方法としては、LANケーブルを使う優先接続と、Wi-Fiを使う無線接続があります。

近年はノートパソコンやタブレットの導入が進んでいるので、無線接続を使う企業はこれからも増えることでしょう。

代表的なソフトウェア

ソフトウェアで代表的なものを、以下に紹介します。

OS(オペレーティングシステム)

コンピューターを動かすために必要な、基本的なソフトウェアと言えます。

代表的なOSは、WindowsやMac、Linux、Windows Serverなどです。組織内では、同じOSとバージョンを使うことが推奨されています。

ミドルウェア

OSとアプリケーション間で、補助的な処理を行うソフトウェアです。

アプリケーションを使用可能な状態にする、という重要な役割を担っています。

「Oracle Database」や「Apache」などが、代表的なミドルウェアです。

ITインフラはどのように構築されるのか

構築までの、一連の流れを見ていきましょう。

導入の計画を立てる

ITインフラを導入する前に、目的は何か、どのような課題をどういった方法で

改善していくか、といった計画を立てます。

漠然とした理由で導入しようとしても、コストを無駄するので注意しましょう。

ハードウェアを何にするか、サーバーを自社専用にするのか借りるのか、システムやセキュリティに雄関する事も決めることが必要です。

細かい点まで分かりやすく一通りまとめておくことが重要で、後で問題点を見つける際に役立ちます。

ITインフラを設計する

計画を一通り立てたら、次は本格的にITインフラを設計する段階に入ります。

求められるサービスに応えられるようなシステムを構築するために、どのような機材や設定が必要か、事前にしっかり検討することが重要です。

設計において「業務をいかに効率化するか」は勿論大切ですが、不測の事態にどのように備えるかも計画しなければなりません。そのために、セキュリティ対策も考えておきましょう。

計画を基にITインフラを構築する

設計が終われば、次は実際にITインフラの構築です。

ハードウェアやソフトウェアを設定し、ネットワークを構築するなどの作業を行います。

使用する上でネットワーク障害や、災害や事故などの万が一の事態が起こる可能性も否定できません。そのようなケースになっても大丈夫なように、バックアップ体制や、システムの監視体制を構築する必要もあります。

いつ、どのようなリスクがあるか誰にも分かりませんので、いざという時に対応できるシステムを作ることが求められます。

運用前にテストを行う

仕様書や計画書通りにシステムが作動するかどうか、運用前にテストを行いましょう。

最初は、それぞれの機器や設定が単独で確認する「単体テスト」を行います。次に、複数の機器を連携させた時の動作を確かめる「結合テスト」を行い、最後は本番を想定した「システムテスト」を行って終了です。

テストで特に問題が発生しなければ、実際に運用を始めます。

ちなみに、ITインフラ構築担当者と、運用担当者は必ずしも同一人物とは限りません。運用担当者には、実際に運用を開始するまでの間に習熟させるなどの、工夫が必要になるでしょう。

ITインフラを構築する方法

構築するための方法に何があるか、以下で見てみましょう。

自社で構築する

自社で行えば、設計を外部に知られずに構築することが可能です。そのため、社内の情報が漏れることを防げます。

他者に依頼すると費用がかかるので、コスト削減にも繋がります。しかし、ITインフラの構築は専門性の高い分野です。スキルを持っているスタッフが必要になるため、新たにスタッフを雇うコストを考えると、他者に依頼するのと変わらないかも知れません。

また、運用開始後も定期的なメンテナンスを自社で行う必要があるため、構築だけでなく管理にも時間を費やす必要があります。

プロに依頼する

構築をプロに依頼するのもおすすめです。資格を持っている専門家であれば、高品質で、満足できるインフラを構築してもらえるでしょう。

例えば「sysdig」という会社では、セキュリティ体制の構築や運用の効率化を、スピーディーかつローコストで行ってくれます。企業の予算やニーズに合わせて、様々な選択も可能です。

プロに依頼するとその分の費用はかかりますが、アフターサービスも充実しているため、管理を安心して任せることができます。

まとめ

ITインフラの構築には決まった流れがあり、その流れに従ってシステムを組み立てます。構築だけで無く、運用開始後も保守管理や運用の面で高いスキルを必要です。事前に専門性の高いスタッフを雇用するか、プロへの依頼を検討すると良いでしょう。各企業で求められているシステムは異なるので、この記事を参考にしつつ、最適なインフラ構築をしてください。

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